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【薬学生ドラフトとは】新卒薬剤師の新しい就職の仕方(プロ薬学選手になろう)

2019年10月28日

先日twitterで「薬学生ドラフト」なるものを発見しました。

https://twitter.com/ayumin_Mii/statuses/1146037860681732097
※延期になり実際は10/20に開催

世の中にはすごい薬学生がいますね。こんな企画ができる決断力と行動力が素晴らしい。

あゆみさん(@ayumin_Mii)のような薬学生がいるんですから、薬剤師業界の未来はまだまだ明るいと思います。(そういう僕もまだ27歳なのでこれから頑張らねば)

そんなわけで「薬学生ドラフト」がめちゃんこ気になったのと、今後薬学生の就活スタイルとしてかなり主流になっていくだろうなーと思ったので、今回は「薬学生ドラフト」について深掘りしていきます。

♦︎薬学生ドラフトとは

簡単にいうと、薬学生が各企業の人事を前にプレゼンを行って、それを見た企業がオファーを出す新しい就活スタイルです。

ダイレクトリクルーティングってやつですね。プロ野球で言うドラフト。

薬剤師とプロ野球選手ってちょっと似てません?もちろん技術的な話ではなく。

「薬のプロ」である薬剤師になって、病院・薬局・ドラッグストアなど数ある中からフィールドを選んで活躍する。

プロ野球選手が、属する球団やポジションによって各々のプレイヤーとしてのスキルやキャリアが形成されていくように、薬剤師も選ぶフィールドによって全然味の違う薬剤師になっていきます。

同じ調剤薬剤師であっても、門前薬局でバリバリ専門性を高めてその道を極める薬剤師もいれば、在宅に力を入れている薬局で他職種の方とも連携しながら地域医療に貢献している薬剤師もいますよね。

♦︎就活生のドラフト制度の実態

僕の個人調べですが、企業の新卒採用における「ドラフト」ってスタイルは2011年ごろから始まったようです。

ただ当時はまだオンラインのみで、学生が学歴や自己PRをサイトに登録して企業からのオファーを待つようなスタイル。

今でいう転職エージェントのスカウトサービスのような感じですね。

オフラインのドラフトになったのはここ2〜3年の話。(なんか最近はオンライン→オフラインのビジネスモデルが多いですね)

文系・理系問わず(専門職除く)就活生のドラフトイベントを行うリクルート事業企業も増えてきて、市場規模はどんどん大きくなってきているようです。

♦︎なぜこれから伸びるのか

薬学生と企業のミスマッチ防止

一番の理由は、薬学生と企業のミスマッチがより防げるからです。相性のマッチ率を上げると言ってもいいかもしれない。

これは薬学生あるあるなのですが、就活で1〜2社だけ受けて内定っていうのがざらにあります。

実際僕も1社だけ受けて内定もらってそこへ入社しました。(一応しっかり軸を決めて就活したのでミスマッチはありませんでしたが)

薬剤師を始め国家資格の医療系学生は、国家試験に合格することが第一なので就活にあまり時間をかけられない、時間をかけたくないと言うのがあるんですよね。

だから、合同企業説明会で見つけた1〜2社だけ受けて就活終了→いざ入社したら「こんなはずじゃなかった」っていうパターンも少なくないです。

ただ上記でも述べたように、薬剤師は身を置くフィールドによって全然違う味に仕上がるので、自分の目指す薬剤師像と企業の事業スタイルとのマッチというのは本当に大事です。

そういう意味では、薬学生が自分の目指す薬剤師像やビジョンをアピールして、それに共感したり魅力を感じた企業が直接オファーするというのは、互いのミスマッチを防ぐにはとても理に適っていますよね。

薬学生側のニーズ増大

企業とのミスマッチがより防げるから、薬学生側のニーズが高まるっていうのもあると思います。

薬学生側が自分をPRすることで成長できるっていうメリットもありますね。

僕はいま絶賛転職活動中なのですが、面接を受けるたびに「面接=自分を売り込む営業」だなーって痛感します。

薬学生の頃の就活ではあまり感じてなかったんですが、そりゃあ1〜2社受けて内定だったら感じる暇もないですよね。

薬学生の頃は「面接=入社試験」って感じる人が多いと思います。

社会人になれば営業職でなくとも営業的なことを行う場面って少なからず出てくるので、薬学生のうちから自分を売り込む経験ができるのはすごく有益です。

あとは自分を売り込む営業(今の僕でいう転職での面接)を通じて、自分が本当にやりたいこと、自分の将来像をより具体的にイメージすることができますね。

「自己分析+売り込み営業」をすることで、自分の適性や目指すビジョンがより明確になります。

中小企業が新卒薬剤師を獲得しやすくなる

これは思いがけない相性の良いマッチングが生まれるからですね。

中小の薬局や病院の場合、定番の就活イベントである合同企業説明会に参加できないor参加してもなかなか学生が集まらないって場合が多いと思います。

となると、薬学生はどうしても認知度の高い大手や華やかな雰囲気のあるブースの企業などに取られがちなんですよね。(今年はある大手調剤チェーンの内定者が600名超えたとか…)

そんな時に薬学生のドラフト制度があれば、認知度の低い中小企業でも取り組みなどをしっかり伝えた上で学生にオファーが出せるので、例えば「在宅に積極的に力を入れている数店舗のチェーン薬局 」× 「在宅のスペシャリストになりたい薬学生」のマッチングなんかが生まれます。

認知度は低くとも明確な事業戦略のある魅力的な中小企業と、自分が将来目指す薬剤師像を明確に持った学生とのビジョンが合致して、今よりも確実に相性の良いマッチングが生まれますね。

♦︎今後の医療系学生ドラフト

個人的には、色んな国家資格者合同のドラフトなんかが出てくるのではないかと思っています。

理由は、資格の枠を超えた連携(チーム医療)がさらに求められる時代になっていくからですね。

今もですが、今後もさらに高齢化が進むので医療のニーズはより高まってきますし、それを支える医療人たちも割合的には少なくなっていきます。

ということは、各々の医療人たちが資格の枠を超えた連携を行なって活動していくことが人手不足の補填・解消に繋がりますし、互いが刺激になって医療の質や多様性の向上にもなります。

その取っ掛かりとしてドラフト制度は大きな一役を買うのではないかと。

医療”チーム”なので、その監督である医療企業がチームメンバーを決めるために各医療人へオファーを出すって自然な考え方ですよね。

特に国家資格者は資格を取ってゴールという方も少なくないですが、これからは資格だけでなくコミュニケーション能力(これはだいぶ前から言われている)がより求められてきますし、さらにプラスαで価値のあるスキルや経験が必要になってきます。

医療チームに良い影響を与えるプラスαの部分が、ドラフト制度での強みになってくるということですね。

ドラフトを受けるかどうかはもちろん個人の自由ですが、プラスαで得たスキルや経験っていうのは、その後の医療人生に確実に良い影響をもたらしてくれます。

いま薬学生の方も、僕を含めた薬剤師の方も「個の力」を高めていくために少しずつ新しいことを始めていきましょう!

ではまた!