【薬学生必見!】調剤とOTCだったらどっちで働くべき?【両方経験した薬剤師が解説します】
いきなりですが、そろそろ就職について考えようかなあって思ってる薬学生の方へ質問です!
「就職先の業界ってどこにすればいいんだろう…」って思ったことありませんか?
僕は就活生の頃思ってました。
薬剤師になったらこんな仕事を一生続けていきたい!っていうビジョンがまだ見えてなかったからです。
薬学生の就職先として、病院・調剤薬局・ドラッグストアの3つが多くを占めていますよね。
その中でも調剤薬局・ドラッグストアを就職先の業界として考えている薬学生は多いです。
この記事では、「調剤薬局で調剤するのか・ドラッグストアでOTCするのかの2つだったらどっちを選ぶべきなのか。」について、両方を経験してきた現役薬剤師の僕が解説していきます。
自分の向き不向きもだんだん分かってくると思うので、ぜひ最後まで楽しんで読んでください。
結論:調剤もOTCも両方経験すべき
結論から言うと、調剤もOTCも両方経験しましょうと言うことです。
「どっちか選ぶのに迷ってんのにどっちもってなんだよ!」って思われるかもしれません。そこはすみません。
ただ、どっちの業界も薬剤師のベース能力として大事な面があるので、どこかのタイミングで両方経験しとくのがおすすめですよって話なんです。
両方経験するのがおすすめな理由としては、3つあります。
1つ目はどちらも仕事内容が全然違うこと。
2つ目はどちらも相互で活用できる知識があること。
3つ目はどちらにも向き不向きがあるからです。
詳しく深掘りしていきますね。
調剤とOTCの仕事内容の違いって?
調剤の大体の仕事内容は下記の感じですね。
- 処方箋入力
- 調剤業務(ヒート、散剤、外用、シロップ、軟膏混合、粉砕、一包化など)
- 処方監査、疑義照会、服薬指導、薬歴入力・管理
- レセプト業務
- 医療用医薬品の発注、在庫管理、採用品目の管理
- 処方箋枚数、集中率、ジェネリック比率、売上等の数字管理
続いてOTC。
- ドラッグストア業務全般(品出し、レジ業務など)
- OTC医薬品業務(カウンセリング販売、在庫管理、季節別売場作り)
- 担当カテゴリー業務(新商品導入検討、売場作り、売価設定、発注・在庫管理)
- 店舗運営業務(売上等店舗数字管理、金庫管理・銀行入金作成、ワークスケジュール管理など)
同じ薬剤師の仕事でもこんなにも内容が違うんですね。これは正直やってみないと分からない。
少なくとも僕は両方やってみて初めてここまで違うんだなと実感できました。
調剤・OTCの相互で活用できる知識
相互で活用できる知識というよりは、どちらも相互に関わりがあると言った方が正しいかもしれないですね。
調剤薬局で仕事をしていて、服薬指導するときには定期的に併用薬の確認をします。
その時に「病院でもらった薬はないけどOTC医薬品をたまに飲んでいる」「日頃から健康のためにドラッグストアで買ったサプリメントを飲んでいる」みたいな方はかなり多いです。
逆にドラッグストアで仕事をしていると、「よく分からないから症状に合ったOTC医薬品を選んでほしい」というカウンセリング希望の方が結構いて、その人たちの中にも病院で処方された薬を飲んでいるという人が一定数います。
調剤・OTCどちらにいても、もう一方の業界の専門知識が必要になってくる場面って結構多いんですよ。
薬剤師は薬の専門家なので当たり前ちゃ当たり前かもしれませんが。
なので調剤もOTCも両方経験しとくに越したことはありません。
調剤が向いている人とは
ここからは完全に僕の経験に基づいた考えになります。
調剤薬局の仕事の本質として”患者さんのため”というのがあります。
調剤薬局も会社なので売上を上げることは大事ですが、調剤においてこれをやったから劇的に売上が上がる!みたいな取り組みってあまりありません。(もちろんゼロではない)
それよりも患者さんの経過をしっかり見ながら服薬管理や指導をして、患者さんの健康状態をより良い方向へ持っていき、最終的に元気になってくれるのが一番の醍醐味です。
なので”患者さんのため”の行動にやりがいを感じる人は調剤薬局が向いていますね。
”無償の奉仕精神”が大切になってくるので、地域のボランティア活動などが好きの方、そういう活動によく取り組んでいた方なんかはかなり向いてると思います。
OTCが向いている人とは
ドラッグストアに関しても、相談を受けて適切なOTC医薬品を選んで、お客さんの健康のために貢献するっていう薬剤師として大事な任務はあります。
ただそれ以上に、ドラッグストアは結局のところ”物を売る商売”なのでいかに売上を上げるかが重要になってきます。
それに伴って薬剤師の専門分野とはまた違った仕事(売場作りや店舗運営など)が結構あります。
調剤よりもビジネス寄りな仕事といったイメージですね。
僕に関していうと、男性化粧品・オーラル用品・健康食品などを自分の担当カテゴリーとして持っているので、
「そのカテゴリーの商品メーカーと話して売れそうな新商品の導入を決める」
「メーカーと協力して、より売れる売場作りや商品の有効な展開を行う」
「時期や在庫量、類似品との兼ね合いを見ながら適切な売価を設定する」などの業務を普段やってます。
そしてこれらの仕事って取り組み自体が売上にものすごく反映されやすいです。
僕の例で言うと、あるオーラル用品の展開場所や展開方法を変えることで、その商品の売上が1ヶ月で7倍くらいに跳ね上がったケースなんかもあります。
自分の取り組みが数字に表れるのが好きな人、数字管理が好きな人、数字をもとに課題を見つけて仕事に取り組みたい人なんかはかなり向いていると思います。
経験すべき順番は調剤→OTCがおすすめ
ここまでそれぞれが向いている人を解説してきましたが、最後に経験すべき順番についてお話ししますね。
経験すべき順番は、調剤→OTCがおすすめです。理由は、応用が効きやすいから。
基本的に医療用医薬品は単一成分の薬が多く、OTC医薬品は複合成分の薬が多いです。なので調剤を一通り習得しておくことで、OTC医薬品の成分を見ればどんな効果のものが入っているかがすぐにわかります。
調剤→OTCを経験した後に、もしまた調剤薬局に戻ったとしても、今度はそこでドラッグストアの経験を生かしてOTC医薬品の相談にもしっかりと乗ることができます。
僕は転職をすることで両方を経験しましたが、調剤併設型ドラッグストアに勤務すれば同じ会社にいながら両方の経験をすることもできますね。
薬剤師の転職市場は活発なので、転職を考えている方はぜひそちらの記事も読んでみてください。
自分に合った仕事を見つけて、楽しい薬剤師ライフを送りましょう^^
今回の記事があなたの役に立てば幸いです。
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